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2026年1月 5日

「歯科ソレイユ歯科治療に対する考え方」〜予防を中心として〜

院長の菖蒲です。私は「歯科治療はできるだけしないに越したことはない」と考えております。皆さんは「歯医者は歯科治療するところなのに、なぜ?」と思われるかもしれません。私が目指す歯科医院は「むし歯や歯周病などの歯科治療をしなくて済むお口の状態となり、より良い状態を維持するところ」です。つまり「お口の中が悪い状態になるのを未然に防ぐ、予防のために通うところ」です。当院に通われる方が「健口」な状態で、その「健口」を通して、心身ともに「健康」でいられることを目指しております。ちょっと抽象的でわかりにくいので、具体的にはどういうことか、説明します。

歯を失うメカニズム

まずむし歯について。むし歯の予防をしないとどうなるか。

① 痛みがないような、小さな虫歯ができる。
② むし歯を削って詰め物で埋める。
③ 詰め物の境目からむし歯ができる。
④ またむし歯を削って歯が小さくなる。
⑤ 歯の神経を取る治療となり、さらに歯が小さくなる。大きな被せ物をする。
⑥ さらにむし歯になったり歯が割れたりして抜歯になる。

歯は4〜5回治療すると抜歯に至ると言われています。この連鎖で次々と歯がなくなるのです。一本歯を失うと他の歯に負担がかかりますので、それだけ速いスピードで歯を失うリスクが高まります。

次に歯周病。
① 歯ぐきが腫れて出血するが、痛みなどは何もない。
② 炎症が拡がり、歯を支えている骨が吸収してくる。それでも痛みはない。
③ 歯がグラグラしてきて、口臭もするが、自分ではさほど気にならない。
④ 歯の動きが大きくなり、固いものなどが噛みにくくなる。
⑤ ある時、次々と歯が抜ける。

歯ぐきが腫れることで痛みが出たり、噛むと痛いなどの症状が出ることもありますが、痛みがなく突然歯が抜けた、などということも多いです。

「むし歯も歯周病も治りません」

「いや、自分はそこまで放っておかないで、歯医者に行くから大丈夫。」と思っているあなた。あえて声を大にして言います。歯医者へ行ったとしても、『むし歯も歯周病も治りません』。どういうことかと言うと、風邪やインフルエンザなどは、病院へ行くとお薬などで治療すると治りますが、むし歯は削って人工物に替えることになるため、元の健全な状態にはなりません。イメージとしては陶器の欠けた部分をパテなどで埋めているといった感じでしょうか。歯周病も進行を止めることは出来ますが、これも元の状態にはならないのです。歯周病治療には再生療法がありますが、完全に再生するわけではなく、適用部位も効果もかなり限定的です。今この瞬間は困らない状態になるかもしれませんが、その状態からまた少しでも進行すれば、早期にダメになることは想像に難くありません。
そこで「予防」と言う考え方です。まだむし歯や歯周病になっていない方やお子さんであれば、現時点から「予防」することが得策です。むし歯や歯周病になる前に予防する、これは誰もが納得することでしょう。ただ、わかっていても難しいものです。何故なら、今、困っていないから、今予防する必要性を感じないのです。後になって「ああ、予防しておけば・・・」と思うパターンです。シニアの方が若いうちにやっておけば良かったこととして必ず上位にランキングされるのが、「歯の定期検診」。それだけ多くの方がお口に関して悩みを持ち、失ってから強く後悔しているということです。
もう既にむし歯や歯周病に罹っている方は治療した後に、治療を終えている方は現状を維持するためにも「予防」が最重要です。少しでも悪化してしまえば、歯を失うことになるからです。治療された方のお口の状態は、治療されていない健全な方のお口と比較して確実に不利な状態になっていますから、より厳密に予防する必要があるということです。

予防のイメージと実際の予防

皆さん、むし歯や歯周病の「予防」とは、どんなイメージでしょうか?もしかしたら、ライオンやサンスターなどのコマーシャルにあるように「歯みがき」と思われている方が多いのではないでしょうか?お口の中は自身でも見えるので、状況を把握できるように思えます。鏡などで見えるだけに、自分一人で管理できると思われがちですが、実際は自分では見えない所の方が重要です。むし歯であれば、歯と歯の間や治療した詰め物や被せ物の境目。歯周病であれば、歯と歯ぐきの境目、いわゆる歯周ポケット。これらを含めて、第三者に管理してもらうことで「予防」になるのです。歯科の良いところは、病気が見つかってから罹る医科と違って、予防のために通うことができるところです。この第三者の管理をお口の専門家である歯科医師や歯科衛生士に任せるということは、とても理にかなっているのです。

「健口」と「健康」の関わり

ここまでむし歯や歯周病の予防について述べてきましたが、なぜそこまでお口の健康つまり「健口」にこだわるのか?それは冒頭でも少し触れましたが、お口の健康である「健口」が心身の「健康」に大きく繋がっているからです。当然と言えば当然です。医科と歯科とが別れていますが、お口だって体の一部です。お口の中の病気がお口の中だけに留まるわけがありません。もっと言えば、多くの病気がお口の病気から始まると言っても言い過ぎではありません。お口は体の入り口。機能を見ても、摂食・呼吸・発音とかなり多岐に渡ります。まさに「命の入り口 心の出口」。生きることに直結している重要な部分です。
お口の中の細菌は全身の健康に影響を与えます。代表的なのは歯周病。こちらは歯ぐきの炎症からの炎症メディエーターにより影響が現れたり、歯ぐきの血管から細菌が入り込み、多くの臓器に影響を与えます。
特に糖尿病との関連が強く、歯周病が悪化すると糖尿病が悪化し、糖尿病が悪化すると歯周病が悪化するという相互関係が知られています。これは逆も然りで、歯周病が治療で改善してくると糖尿病も改善し、糖尿病が治療で改善してくると歯周病も改善しやすくなることも知られています。同時進行で治療する必要があるということです。
他に歯周病はアテローム性動脈硬化とも関連があり、このアテローム性動脈硬化から、心筋症、心不全、不整脈、心内膜炎、心臓弁膜症、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、大動脈瘤などの心血管疾患と関連があるとされています。
また、歯周病は早産や低体重児出産とも関連があるといわれています。さらに、肥満やメタボリックシンドロームとも関連があるようです。関節リウマチとも、慢性閉塞性肺疾患、肺炎とも、慢性腎臓病とも、認知症とも、がんとも関連があることが論文によって示唆されています。
全容は解明されていないものの、これだけの疾患と関連している歯周病は、軽く考えるような病気ではないことを示しているのではないでしょうか。
歯周病だけでなく、むし歯も酷くなれば菌が血液に入り込み、全身に影響することも考えられています。何よりむし歯で歯を失えば、噛みにくくなったり噛むことが難しくなり、食べる物が偏り、偏食による栄養不足、噛む回数の減少による消化不良、低栄養による体力の減少や気力の低下、引きこもりがちになることでの鬱症状など、これらのような大きな影響が出ることは理解できると思います。
このように、むし歯や歯周病は全身の病気に関わっているのですから、お口の健康「健口」を維持する予防は全身の病気を予防し、「健康」でいるために効果的であり、これは国も認めていることです。国民の医療費を削減するためにも、今「国民皆歯科健診」の議論が進んでいるのはご存知の方も多いのではないでしょうか。また、何かの病気で手術や入院をする際には、その前に歯科治療を済ませておくことが今では常識になっています。これはお口の中の状態が良い人は、悪い人と比較して術後経過も良く、入院日数が少ないことがわかっているからです。

予防という観点からの歯科治療

当院では予防という観点から、メインテナスに重きを置いていることは言うまでもありません。そしてさらに一歩進んで、予防の観点から治療自体も行うように診療メニューを取り入れています。
一般的にセラミック治療は美しい見た目(審美)の観点から考えられていますが、アレルギー反応が出にくい体への適合性(生体親和性)に優れた治療であり、歯垢(プラーク)が付きにくく、むし歯や歯周病になりにくいという観点で考えています。「もしセラミックが黒いとしても、お勧めする」と言われた先生もおられましたが、さすがに黒かったら、わざわざ入れる人はいませんね。笑。つまり、予防という観点からセラミック治療を考えているのです。
インプラント治療も予防という観点では、今ある歯に負担をかけないという点で優れているものです。不幸にも歯を失ってしまった場合、その部位にインプラント治療を行うことで、他の歯を削ったり、入れ歯のバネを掛けたりといった隣の歯に負担をかけることなく、欠損部に歯を入れることが出来ます。ドミノ倒しのように他の歯に負担をかけて失うことなく、インプラント単独で支えられ、違和感なく自身の歯のような感覚で使えるところが非常に優れているところです。
ミラクルデンチャーを当院で採用している理由も予防という観点です。従来の入れ歯との違いは材料ではなく、いくつもの特許を取得している装置によって、今ある歯に出来るだけ負担をかけずに入れることができ、さらに入れ歯を入れることによって、今ある歯を守ろうという発想がまさに予防の考え方に合致しています。ここでの文章による説明では難しいですが、設計自体が他の入れ歯とは違うのです。
床矯正は矯正とありますが、当院の考え方では矯正というより咬合育成と捉えています。お子さんの成長発育の過程で、噛み合わせや歯並びなど何か不具合や問題があれば早期に解決することで、問題のない範囲の成長発育に乗せていこうとする考え方です。ですから、一般的に考えられている矯正治療ではなく、成長発育をサポートする、というスタンスなのです。大きな問題になることを予防する、ということです。ゴールはきれいな歯並びではなく、機能的に問題のない、正常な歯並びです。

基盤となるのはメインテナス

予防という観点からの歯科治療を述べてきましたが、原点に戻って「治療はしないに越したことはない」のですから、予防の最も基盤となるのはメインテナスです。いくら良い治療をしたからといって、メインテナスをしなければ何にもなりません。良い状態を維持するためには、日々のセルフケアと定期的なメインテナス、この2つが欠かせません。
まずは日々のセルフケア。歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどによる毎日のケアです。こちらは一日2〜3回と、習慣化されている方がほとんどかと思います。日々のセルフケアは本当に重要です。ただ、皆さんは小さい頃から歯みがきをしてきたと思います。それでもむし歯の治療や、歯ぐきの腫れなどの歯周病で歯科医院へ通われた経験がある方は多いのではないでしょうか。それはなぜでしょうか?「磨いている」のと「磨けている」のは違う、とよく言われます。歯磨きは皆さん自己流で、見よう見まねで覚えてきた方がほとんどだと思います。人ぞれぞれ磨き方のクセがあり、磨けているところは常に磨けているのですが、磨けていないところは常に磨けていないのです。これを改善するには歯科衛生士によるブラッシング指導が最も効果的で、定期的なチェックが欠かせません。その意味でも定期的なメインテナスは重要です。
定期的なメインテナスが重要な最大の理由は、お口の中を定期的に徹底してキレイにする、つまりむし歯や歯周病の原因菌の塊であるプラークを除去することで、お口の中の細菌量を大きく減らすことにあります。一年に一度の大掃除のようなイメージです。ただ、お口の中は一年に一度では足りません。湿度100%、適温、食べ物が常に入ってくるお口の中は数日・数時間で細菌が繁殖します。お口よりも断然条件が悪い台所のシンクでさえ、すぐにぬめり(カビ)が発生することからも理解できるかと思います。そのため歯磨きに自信がある方は3カ月に1回、ちょっと不安を感じる方や全身的なリスクがある方は2カ月に1回メインテナスを受けた方が良いでしょう。さすがに毎日来ていただく訳にはいきませんから、日々のセルフケアをした上でのメインテナスです。セルフケアなしに3カ月に一度のメインテナスだけでは、むし歯や歯周病の予防は難しいでしょう。

ご自身の歯を大切にしてほしい

とても不思議なことですが、髪型を整えるために床屋や美容院は定期的に行かれるようですが、歯科医院へ定期的に通われていない方はおられるようです。髪は生死に関わりませんが、お口の中は「健康」に大きく関係しています。そしてちょっと体調に異変があれば病院へ行かれるかと思いますが、お口の中のちょっとした異変では歯科医院へ行かれない方がまだまだ多くおられるようです。「むし歯や歯周病で死ぬことはない」という捉え方をされているのかもしれませんが、ちょっとした異常を放置することで、ますます酷くなり、治療に要する時間・日数・苦痛が増していきます。治療後も元に戻らないわけですから、その後の日常生活も苦労することだってあり得ます。かかりつけの歯科医院を持ち、ちょっとした異常で来院するだけでなく、異常が出る前の定期的なメインテナスに通っていただきたいものです。
現在、ご自身の歯は何本ありますか?全ての歯が揃っている方は、親知らずを除いて合計28本です。たかが歯1本と思っていませんか?されど歯1本。手足の指の合計が20本です。手や足の指が1本なくなったら大変なことですね。同じくらいの本数である歯を1本失った時はどうでしょう?そう考えると、歯1本にはどのくらいの価値があると感じますか?そんな大切な歯をいつまでも大事に使っていただきたいと願っています。

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歯科ソレイユ
院長 菖蒲正宏

院長 菖蒲正宏

歯科ソレイユという名前、ちょっと変わっていると思いませんか?当院の理念は、患者さま・スタッフ・ドクターなど歯科ソレイユに関わる人々すべてが「ソレイユ(フランス語で太陽、ひまわりの意味)」のように輝く笑顔になれること。そんな『輝く笑顔を創造する歯科医院』を目指して名付けました。 歯科医院とは歯やお口の中を治療するところですが、できれば歯の治療を受けると同時に、心までもリフレッシュしていただきたい。そんな思いから、院内の待合室やカウンセリングルームもリラックスしてくつろげるような雰囲気になっています。